第4話 サードプレイスのウィークポイント
アメリカチームからの熱意をしっかりと受け止めた自分はアメリカチームには内緒で
ある計画を進めていた。
オリンピック会場の釣ヶ先海岸(志田下)ではここ数年にわたり一宮町や一宮サーフィン業組合のバックアップの元、世界サーフィンコンテストが行われてきた。
その流れの中、サードプレイスにも大会期間中に世界各国の選手が滞在していただいた。
期間中、選手の毎日のルーティンを間近で観察していると、サードプレイスの弱点が見えてきた。
弱点その1
選手は大会期間中、毎日ストレッチやヨガ、筋力を維持するための自重トレーニングを行っているが、多くの選手が同時に行える大きさのスペースがないため、個々の部屋のベットを寄せて行っていたり、客室の廊下を利用したり、日中は熱い屋外スペース利用していた。
弱点その2
選手はあらゆる波のコンディションにでも対応できるよう最低五本のサーフボードを用意して来日していた。
もちろん一般宿泊の方が持参するくらいのサーフボード置き場は用意してあったが、各選手が5本近く持ってくると外のボード置き場では足りなく、客室にボードを持ち込むことで選手の生活スペースが更に狭くなった。
ふたつの弱点を埋めるべく
まずは、普段は宿泊者の子供たちの遊び場でしかなかったテニスコートスペースに縦11m横11mのアメリカンガレージを千葉県のガレージワンに実費で建設依頼した
依頼途中にコロナウィルスでオリンピック延期が確定し建設は一時ストップしたが、
2020年8月に完成。
選手が1人10本のサーフボードを持ってきても余るくらい収納可能なボードラック
一度に数人でも利用可能なストレッチやトレーニングスペースも確保
更に、当初は送っていただいたジャグジーの周りに簡易的な枠組と、屋根を建設予定でしたがオリンピック延期も重なり、予定変更で規模も拡大。
2021年5月にHIRO WORKS , AKBUILDERその他大勢の勇士の力を借りて「TORAMI BEACH CLUB」が完成した。
白を基調とした開放感のあるオープンデッキスペースにジャグジーを配置
欠点を克服して更にパワーアップしたサードプレイス。
アメリカチームに「この宿泊施設を選んでよかった」と思ってもらいたい
その一心で形にした「アメリカンガレージ」と「TORAMI BEACH CLUB」。
受け入れ準備は万全かと思えた。。。
順調かと思えた。
自分たちの前に
大きく立ちはだかる壁が出現する・・・
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