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第9話 いつもの笑顔

3日目22日オリンピック開会式前日


大きなスーツケースが11個

ナイキのシューズや、ラルフローレンのジャケット。

オープニングセレモニーに参加するための荷物が届いた。





本来ならば国立競技場で国旗を掲げ、お揃いのユニフォームでにこやかに手を振りながら行進する予定だった開会式、しかしアメリカチームは感染リスクと開会式の開催時間が遅く選手に負担をかける理由から不参加だという。


非常に残念だがコンテストをフォーカスするアスリートにとっては少しでもリスクを回避しなければいけない苦渋の決断だったのだろう。


たまたま荷物の搬入が終わったところに居合わせたカリッサとキャロラインは中の荷物を見てうれしそうな表情を見せていた。


開会式で着るジャケットの他にもナイキからスニーカー数足、オークリーのサングラスやブランド時計まで。

全ては確認できなかったが相当数のアイテムが入っており、サーフィンに限らず他のオリンピック出場選手にも送られているのだろうと思うと国を挙げて行うオリンピックのスポンサーのすごさを目の当たりにした。


このようなアイテムを目にするときっと更にオリンピック開催に向け選手たちの意識は高まっているのだろう


昨日から選手たちは自分の全てのボードのスポンサーのステッカーを剥がし、

サーフボード、ウェットスーツ、当日着るTシャツまでもオリンピックで使用するすべてのものを会場でチェックするというのだ。


オフィシャルアイテムとして認定されていないスポンサーのステッカーを剥がし、アメリカ国旗のステッカーを張るキャロラインとコロヘ



ジョンジョンのタッパーも前もって手配をかけて日本のウェットスーツ工場がアメリカ国旗をプリント




晩御飯を食べ終えるとアメリカチーム動画作成担当のジャスティンがパソコンとテレビを繋げて動画を流し始めた。それは各選手の友人や家族からのサプライズのメッセージムービーだった。


日本に来てから約1週間、世界各国を転戦する彼らにとって数週間家族や友人に会えない事は当たり前のことだと思う。


しかし今回はオリンピック。


国を代表して臨んでいる選手の家族も相当なプレッシャーや心配なことがあるのだろう




ハッピーな友人や家族のエールに照れながらも笑いを誘うコロヘ。

ハワイからの陽気なエールを嬉しそうにほほ笑むカリッサ。

親愛な方からのエールに照れながら顔を真っ赤にするジョンジョン。

お母さんからの涙ながらのエールに涙するキャロライン。



サードプレイスに到着して一番の


家族の前でしか見せないような


最高な笑顔を見せてくれた。




心和むメッセージでリビングは笑いに包まれ、TEAM USAの団結力は更に深まった。




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